CASB.JP / 製品比較 / Netskope

Netskope

Netskope

Netskope One / CASB

Netskope, Inc.

CASBSSESASEプロキシ型

CASBという分野の草分け的存在の一社。機能の先進性では現在も高い評価を受けていますが、その多機能さがそのまま導入・運用の重さにもつながります。

CASB.JP SCORE
4.2 / 5.0
★★★★☆
10項目の
平均値
QUICK VERDICT

まず結論から

ポリシー設計と運用を継続できる体制があるなら、機能面では最上位クラスです。

強み

  • SaaS利用状況の可視化と分類の粒度が高い
  • アプリごとのリスク評価により対応の優先順位を付けやすい
  • DLP・脅威防御を含め、SSE/SASEとして一体で構成できる
  • アプリ単位ではなく操作単位(アップロード可・ダウンロード不可など)の制御が可能

弱み・注意点

  • 機能が多く、初期設計とポリシー設計の負荷が大きい
  • 専任担当がいない組織では立ち上げに時間がかかりやすい
  • 価格が非公開で、モジュール構成により総額が見えにくい
  • リスク評価が英語圏基準のため、国内サービスの判定が実態と合わないことがある
向いている企業
  • 従業員数が多く、リモートワークや拠点分散が進んでいる
  • 情報システム部門にセキュリティ専任者を置ける体制がある
  • SaaS上のデータ保護をきめ細かく行いたい
  • ネットワーク全体をSASEとして刷新する構想がある
慎重に検討したい企業
  • まずシャドーITの実態把握だけを短期間で行いたい
  • 情シスが兼任1〜2名などの小規模体制
  • ネットワーク構成を大きく変えたくない
  • 見通しやすいシンプルなライセンス体系を求めている
SCORECARD

CASB.JP 独自評価

各項目に評価の根拠を併記しています。全製品で同一の10軸を使用しているため、製品間で比較できます。

シャドーIT可視化
5.0

アプリごとに利用実態を分類しリスク評価する仕組み(Cloud Confidence Index)を備え、多数のSaaSの中から優先的に対応すべき対象を絞り込みやすい設計です。

インライン制御
5.0

フォワードプロキシによるリアルタイム検査が主軸で、アプリ単位ではなく操作単位(アップロード可・ダウンロード不可など)の制御ができます。

API連携監査
4.5

SaaSのAPIを通じて保存済みデータや共有設定を事後監査できます。プロキシ型と併用して死角を減らす構成が前提です。

DLP(情報漏えい対策)
5.0

データセキュリティを出自とする製品であり、機密情報の検知条件の細かさはこの領域の中でも上位です。

脅威防御
4.5

マルウェア検出やアカウント乗っ取りの検知に対応します。十分な水準ですが、インライン検査基盤の規模を強みとする製品と比べるとこの軸が最大の訴求点というわけではありません。

SSE/SASE統合
5.0

CASB・SWG・ZTNA・DLPをSSE/SASEとして一体で構成でき、ネットワークセキュリティ全体の設計に組み込めます。

導入容易性
3.5

クライアント配布・ステアリング除外・TLS復号の設計が必要で、初期構築の負荷は軽くありません。ただしAPI連携のみで先行着手する選択肢もあります。

運用容易性
3.5

機能が多く設定項目も広範なため、ポリシーの継続的な見直しを担う体制が前提になります。専任担当がいない組織では負荷が高くなりがちです。

日本市場適合
4.0

国内の導入実績・サポート体制ともに整っています。一方でリスク評価基準は英語圏を前提としており、日本語のみで運営されるサービスの判定が実態と合わないことがあります。

価格透明性
2.0

価格は非公開で、機能モジュールの組み合わせによって変動します。必要な機能を積み上げた総額が見積り前に把握しにくい構造です。

評価方法
各項目5点満点。総合スコアは10項目の単純平均を機械的に算出したもので(4.2)、 重み付けや調整は行っていません。評価は公開情報と、導入・運用の現場で論点になりやすい 観点に基づくCASB.JPの見解です。製品の優劣を断定するものではなく、組織の規模・既存環境・ 運用体制によって適性は変わります。評価時点の情報に基づくため、最新の状況は各社にご確認ください。
採点基準(5.0〜1.0の定義)と10軸の詳細はこちら →

OVERVIEW

製品概要

現在は「Netskope One」というSSE/SASE製品群の一部としてCASB機能が提供されています(従来は単体で「Netskope CASB」と呼ばれていました)。管理・未管理を問わずSaaS利用状況を可視化し、DLP・脅威防御・アクセス制御をあわせて提供する構成です。

アプリケーションごとの利用実態を分類しリスク評価する仕組み(Cloud Confidence Index)を備えており、多数存在するSaaSの中からシャドーITとして優先的に対応すべきものを絞り込みやすい設計とされています。

ARCHITECTURE

アーキテクチャ・提供方式

通信経路のどこに介在するかは、導入負荷と制御できる範囲を左右します。

フォワードプロキシ型(主軸)

端末やネットワークからの通信をNetskopeのクラウド基盤(POP)経由にし、その場で検査・制御します。未許可SaaSのリアルタイム遮断が可能な反面、通信経路の設計変更が伴います。

API連携型

SaaS各社のAPIを通じて、保存済みデータや共有設定を後追いで監査します。通信経路に割り込まないため、プロキシ型と併用して死角を減らす使い方をします。

クライアント配布

端末にエージェント(クライアント)を導入する方式が基本です。ブラウザ拡張(CRX)による軽量な展開方式もありますが、除外設定の粒度が異なります。

復号(SSL/TLSインスペクション)

通信内容を検査するには復号が必要で、証明書の配布とアプリ側の警告対応が発生します。対象を絞らないと非対応アプリで通信エラーが起きます。

CASB FUNCTIONS

CASBとしての主な機能

シャドーITの可視化

利用されているSaaSを検出し、カテゴリとリスクスコアで分類します。対応すべき対象の絞り込みに使います。

DLP(情報漏えい対策)

機密情報のアップロードや外部共有を検知・制御します。オンプレミス向けポリシーとの整合が論点になります。

脅威防御

マルウェアや不審なファイルの検出、アカウント乗っ取りなど異常なアクセスの検知を行います。

SaaS操作の制御

「閲覧は可、ダウンロードは不可」のようにアプリ単位ではなく操作単位で制御できます。

生成AI利用の可視化

生成AIサービスの業務利用が広がる中、入力内容を含めた利用状況の可視化・制御に対応を進めています。

アクセス制御

利用者・端末・場所などの条件に応じて、SaaSへのアクセス可否を判定します。

ZTNA / VPN REPLACEMENT

VPNからZTNAへ:Netskope One Private Access

CASBと同じNetskope Oneプラットフォーム上では、従来型VPNを置き換えるZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)として「Netskope One Private Access」が提供されています。Netskopeは製品紹介の中で、「社内ネットワークに入れるVPN」から「必要なアプリだけを個別に使わせるZTNA」への移行を提唱しています。

従来型VPNの課題

通信がVPN装置に集中して遅くなりやすく、接続後はネットワーク全体に到達できてしまうためセキュリティ上の隙を生みます。利用者にとっても、接続の手間や速度低下で使い勝手が悪化しがちです。

トンネルを意識させない接続体験

Private Accessでは、利用者はVPNトンネルの接続操作を意識することなく、許可された業務アプリへそのままアクセスできます。「VPNに繋いでから開く」という手順自体がなくなります。

最小権限アクセス

ネットワーク全体への接続を許すのではなく、ユーザーごとに必要なアプリだけを個別に許可します。営業には販売管理システムだけ、開発者には開発環境だけ、という単位で権限を絞れます。

攻撃対象領域と横展開リスクの低減

社内アプリをインターネットへ直接公開せず、ユーザーのIDや端末の状態を確認してから接続させる仕組みです。外部から見える入口が減り、万一侵入された場合の社内での横展開(ラテラルムーブメント)も抑えられます。

Netskopeはこれを「VPNより高速・安全・運用が簡単なリモートアクセス」と位置づけています。CASB導入と同時にVPNの更改時期が近い場合は、同一基盤でZTNAまで含めて検討できる点が判断材料になります。出典:紹介動画Netskope公式製品ページ。機能の提供条件はライセンス構成によって異なります。

DEPLOYMENT REALITY

導入前に確認したいこと

カタログには載らない、現場でつまずきやすいポイントです。

要チェック

Netskope経由で送信元IPが変わる点に注意

フォワードプロキシ型のため、端末からの通信は一度Netskopeのクラウド基盤(POP)を経由してから宛先に届きます。接続先のサーバーから見ると、送信元IPは各利用者の実際の回線ではなくNetskope側のIPアドレスになります。

これが問題になるのは、接続先が「固定の送信元IPからのアクセスのみ許可する」設定をしている場合です。金融機関の管理画面、官公庁の申請システム、取引先の限定公開サイト、一部SaaSの管理コンソールなどでIPアドレス制限を使っているケースは珍しくありません。導入後にこれらへアクセスできなくなり、利用者からの問い合わせが集中する、という事態が起こりがちです。

対策は、Netskopeを経由させたくない宛先を「ステアリング除外(bypass)」として事前に登録し、該当の通信だけ実際の回線から直接出るようにすることです。ただし、クライアント方式とブラウザ拡張(CRX)方式では除外設定の粒度や対応範囲が異なるため、採用する展開方式ごとに事前確認が必要です。PACファイルで振り分けを制御している場合も、IP制限のある宛先を洗い出して反映しておく必要があります。

重要なのは、この洗い出しを本導入の「後」ではなく「前」に行うことです。なおこの特性はNetskope固有ではなく、フォワードプロキシ型・SASE型のCASB製品全般に共通します。

  1. IP制限サービスの棚卸し社内でIPアドレス制限がかかっているシステム・取引先サービスを洗い出します。
  2. ステアリング除外の整理Netskopeを経由させない宛先をbypass対象として登録します。
  3. PACファイルとの整合PACで振り分けを制御している場合、除外対象を反映します。
  4. 展開方式の確認クライアント方式かCRX方式かで、除外設定の粒度と対応範囲が異なります。
  5. TLS復号の範囲設計復号対象と除外対象を決め、非対応アプリを事前に把握します。
  6. 既存プロキシとの経路整理全面切替か併用かを決め、移行期間の構成を設計します。
PRICING

価格・ライセンス

サブスクリプション(年間契約が一般的)で、利用ユーザー数と選択する機能モジュール(DLP、脅威防御など)によって価格が変動する体系が採られています。具体的な金額は非公開のため、要件を踏まえた見積りが必要です。「必要な機能だけ」を積み上げた結果の総額が見積り時点まで見えにくい点は、予算計画上の論点になりやすい部分です。

COMPARISON

Netskope と Zscaler の違い

この2製品は比較検討されることが最も多い組み合わせです。機能表だけを見ると似ていますが、出自と設計思想が異なります。

観点評価軸NetskopeZscaler
出自・思想CASB/データセキュリティ。クラウド上のデータ保護が起点。セキュアWebゲートウェイ/ゼロトラスト。ネットワーク経路の刷新が起点。
CASBの位置づけ製品群の中核機能のひとつ。SSEプラットフォームの構成要素のひとつ。
主な提供方式フォワードプロキシを主軸に、API連携を併用。インライン(プロキシ)を主軸に、API連携を併用。
得意な領域SaaS利用の分類粒度、データ保護のきめ細かさ。ネットワーク全体のゼロトラスト化、通信経路の統合。
導入時の主な作業クライアント配布とステアリング除外の設計。通信転送方式の設計(GRE/IPSec/PAC/Client Connector)。
CASB.JP 総合スコア4.2 / 5.04.2 / 5.0
スコアの内訳の違い導入容易性がわずかに上(3.5)。脅威防御は4.5。脅威防御が高い(5.0)一方、通信転送設計により導入容易性は3.0。

数値はCASB.JPが公開情報をもとに同一の10軸で評価したものです(5点満点)。総合点は10軸の単純平均であり、直接入力はしていません。10軸のうち差が出たのは脅威防御と導入容易性の2項目のみで、総合点は同値になりました。どちらが優れているかではなく、どちらが自社の前提に合うかで判断すべき組み合わせです。

CASB.JP VERDICT

結局、どんな企業に向くか

機能面では現在も最上位クラスです。ただしその価値を引き出せるかは、ポリシー設計と運用を継続できる体制があるかに大きく依存します。「導入すれば解決する」製品ではなく「使いこなす前提の製品」です。専任担当を置ける規模の組織で、ネットワークセキュリティ全体の刷新を視野に入れているなら有力な候補になります。

掲載内容は評価時点で一般に公開されている情報に基づく概要であり、最新の機能詳細・価格・ ライセンス条件は変動します。「Netskope」はNetskope, Inc.の商標です。掲載および評価は製品紹介を 目的としたものであり、各社との提携・代理店契約・認定関係を示すものではありません。 評価はCASB.JPの見解であり、特定製品の採用・不採用を推奨するものではありません。

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