Skyhighは3社の中で最も性格がはっきりしています。先に要点を押さえておくと、自社に合うかどうかの判断が早くなります。
各項目に評価の根拠を併記しています。全製品で同一の10軸を使用しているため、製品間で比較できます。
Skyhigh Networks時代からの中核機能で、実績は長い領域です。既存のプロキシやファイアウォールのログを取り込んで解析する方式のため、通信経路を変えずにシャドーITの棚卸しから着手できます。一方、リアルタイム性はインライン方式に一歩譲ります。
フォワードプロキシとリバースプロキシの両方を備え、公式にも多モード対応の網羅性を差別化要因として掲げています。特にリバースプロキシはIdPのSAMLエンドポイントを書き換えて経路に入る方式のため、エージェント配布もSSL復号も不要です。管理外端末に対するインライン制御という点では、他社と比べても扱いやすい構成です。
本製品で最も強い領域です。対象SaaSのAPIを直接呼び出して、ファイルの共有状況や利用者の操作を可視化します。ネットワーク構成の変更も端末へのエージェント導入も不要で始められます。主要SaaS以外にも連携を広げるためのAPIフレームワークが用意されています。
製品訴求の中心に据えられている領域です。オンプレミス・Web・SaaSに対して統一したポリシーを適用する設計が公式に示されています。違反時の対応も、隔離・共有リンクの失効・権限の引き下げ・利用者への通知など選択肢が細かく用意されています。
SaaS内に保存されたファイルのマルウェア検査や、機械学習による異常な操作の検出に対応します。脅威防御は備えていますが、専業のSSEベンダーほど前面には出していません。
SWG・ZTNA・DLP・リモートブラウザ分離・CNAPPを含むSSEポートフォリオは揃っています。ただしSSE全体の統合を前面に打ち出すNetskope・Zscalerと比べると、市場での存在感と情報量は限定的です。SSE統合を主目的とするなら比較検討が必要です。
API方式またはリバースプロキシ方式を選べば、端末を管理下に置く必要がなく、ネットワーク設計の変更もエージェント配布も不要です。送信元IPが変わらないため、IP制限をかけている社内システムへの影響も生じません。CASB製品の中では導入のハードルが低い部類です。
DLPポリシーの設計と、検知した事象の確認・対応が運用の中心になります。既存のオンプレDLPポリシーを流用できる組織では負荷が下がりますが、ゼロから設計する場合は相応の工数が必要です。
国内では代理店による導入支援・日本語サポートの体制があります。ライセンス構成の情報が代理店経由で比較的公開されている点も、検討段階では扱いやすい要素です。
価格自体は非公開ですが、代理店経由でライセンスの構成要素(対象SaaSの範囲、ログ保持期間のオプションなど)が比較的見えやすくなっています。他社と比べればわずかに見通しは良いものの、総額は要見積りです。
評価方法
各項目5点満点。総合スコアは10項目の単純平均を機械的に算出したもので(4.0)、
重み付けや調整は行っていません。評価は公開情報と、導入・運用の現場で論点になりやすい
観点に基づくCASB.JPの見解です。製品の優劣を断定するものではなく、組織の規模・既存環境・
運用体制によって適性は変わります。評価時点の情報に基づくため、最新の状況は各社にご確認ください。
採点基準(5.0〜1.0の定義)と10軸の詳細はこちら →
現在のSkyhighを特徴づける中核のひとつがデータ保護です。他社もDLP機能を備えていますが、オンプレミスからWeb、SaaSまで同一のDLPポリシーを一貫させられる点が、この製品の訴求の中心に据えられています。
そのため訴求も「どのSaaSが使われているか」より「どこに機密情報が置かれ、誰と共有されているか」に寄っています。オンプレミスのファイルサーバーからSaaS上のドキュメントまで、同じ基準で扱いたいという要件に対して素直に応えられる構成です。
現在はSWG・ZTNA・DLP・リモートブラウザ分離などを含むSSEポートフォリオとして提供されていますが、中心にあるのは一貫してデータ保護です。
通信経路のどこに介在するかは、導入負荷と制御できる範囲を左右します。
公式には、許可済みクラウドに対してAPI・リバースプロキシ・フォワードプロキシの3つの方式が用意されており、この網羅性自体を差別化要因として掲げています。用途に応じて方式を選べる点が構成上の特徴です。
対象SaaSのAPIを呼び出し、保存済みのファイル・共有設定・利用者の操作を検査します。SaaS側からの活動フィードを受け取り、必要に応じてAPI経由で是正する仕組みです。通信経路に割り込まないため、ネットワーク変更もエージェント導入も不要です。
IdP側のSAMLエンドポイントを書き換えることで通信経路に入る方式です。端末を管理下に置く必要がなく、エージェント配布もSSL復号も不要なため、私物端末(BYOD)や管理外端末からのアクセス制御に適します。
PACファイルやエージェントで管理端末からの通信を経由させる方式です。管理下の端末に対して、より広い範囲の制御を適用できます。
既存のプロキシやファイアウォールのログを解析してシャドーITを洗い出す方式です。何も導入せずに現状把握だけを先行できるため、稟議前の実態調査に使えます。
エンドポイント・オンプレミス・Web・SaaSに対して同一のポリシーを適用する設計です。チャネルごとに別々のルールを維持する必要がありません。
機密情報の所在と共有状況を検出します。オンプレミスで運用中のポリシーをクラウドにも適用できる点が最大の特徴です。
ファイルの隔離、共有リンクの失効、権限の引き下げ、追加認証の要求など、検知後のアクションが細かく用意されています。
違反を検知した際に、利用者本人へその場で通知し是正を促す機能があります。管理者による事後対応の件数を減らす狙いです。
既存ログの解析により、利用されているクラウドサービスを洗い出しリスク評価します。
SaaS側の設定不備や、外部共同編集者による機密情報へのアクセス状況を点検します。
機械学習により通常と異なる操作を検出し、深刻度を分類します。
カタログには載らない、現場でつまずきやすいポイントです。
Skyhighを調べる際に最初につまずくのが、ブランドと製品名の変遷です。検索して出てくる資料が、どの時期のどの名前を指しているのか分からなくなります。社内で過去の検討資料を参照する場合も同様です。
変遷は次の通りです。2011年創業のSkyhigh NetworksをMcAfeeが買収し、McAfee Skyhigh Security Cloud、続いてMcAfee MVISION Cloudへと改称されました。2022年にMcAfeeのエンタープライズ事業が分割された際、クラウド事業が独立して再びSkyhigh Securityという社名になっています。つまり「Skyhigh」という名前に戻ってきた形です。
実務上の注意点は、ベンダーの資料・第三者のレビュー・社内の過去資料で呼称が混在することです。特に「MVISION Cloud」で検討した経緯がある組織では、同一製品の後継であることを説明しないと話が噛み合いません。
また、どの方式を採るかによって事前準備が変わります。以下は導入前に整理しておきたい項目です。
価格は非公開で、対象とするSaaSの範囲や機能の組み合わせによって決まります。国内では代理店経由の提供が中心で、ライセンスの構成要素(監査対象とするSaaSの数、管理画面上のログ保持期間など)が比較的見えやすい点は検討段階での利点です。ログ保持期間は標準と延長オプションが分かれている場合があり、監査要件がある組織は見積り時に確認が必要です。
「どれもDLPはある」ので、機能の有無では選べません。違いが出るのは、DLPをどこから設計しているか、どのチャネルを同じポリシーで扱えるかです。
| 観点 | Skyhigh | Netskope | Zscaler | Microsoft |
|---|---|---|---|---|
| DLPの位置づけ | 訴求の中心 | 中核機能の一つ | SSE基盤上の一機能 | Purviewとして別建て |
| 対応する方式 | API+リバース/フォワードプロキシ | プロキシ型+API | プロキシ型+API | API連携が中心 |
| オンプレとの統一 | 訴求の中心に据えている | 可(設計次第) | 可(設計次第) | Purview側で統一 |
| 端末側の設定 | 不要(API・リバースプロキシ) | 必要(クライアント配布) | 必要(フォワーディング設計) | 不要(API方式) |
| リアルタイム制御 | プロキシ方式の併用で対応 | 得意 | 得意 | 条件付きアクセスと併用 |
| 向く動機 | データ保護の一元化 | SaaS可視化と情報漏えい対策 | ネットワーク刷新 | M365環境の統合管理 |
表の記号は優劣ではなく設計思想の違いを示しています。たとえば「導入時の経路変更が不要」はSkyhighの利点ですが、同時に「リアルタイム遮断は別機能が要る」という制約と表裏一体です。自社が求めるのが事後監査中心か、即時制御中心かで評価は逆転します。
同じくデータ保護に強いが、プロキシ型を主軸としリアルタイム制御に重心があります。
Netskopeを見る →Microsoft 365中心の環境では、Purviewと合わせたデータ保護の比較が要点になります。
Microsoft Defender for Cloud Appsを見る →ネットワーク刷新を主目的とする場合の選択肢。導入の重さと得られる統合度が対照的です。
Zscalerを見る →Cloudflare Oneとの統合や、ネットワークセキュリティ全体を含めて比較したい場合の候補になります。
Cloudflareを見る →「CASBを何のために入れるか」がデータ保護なら、最初に検討すべき製品です。特にオンプレミスで既にDLPを運用していて、その考え方をクラウドにも広げたい組織では、他社より素直に要件が満たせます。API方式やリバースプロキシ方式なら、ネットワークや端末を変えずに始められる点も現実的です。逆に、SSE全体の統合やネットワーク構成の刷新が主目的であれば、この製品の強みは活きません。目的がデータなのかネットワークなのかで、評価がはっきり分かれる製品です。
掲載内容は評価時点で一般に公開されている情報に基づく概要であり、最新の機能詳細・価格・ ライセンス条件は変動します。「Skyhigh Security」はSkyhigh Securityの商標です。掲載および評価は製品紹介を 目的としたものであり、各社との提携・代理店契約・認定関係を示すものではありません。 評価はCASB.JPの見解であり、特定製品の採用・不採用を推奨するものではありません。
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