Catoは「CASBを探している人」より「WANとセキュリティをまとめて刷新したい人」に向く製品です。先にその前提を押さえてください。
各項目に評価の根拠を併記しています。全製品で同一の10軸を使用しているため、製品間で比較できます。
全拠点・全利用者の通信が自社バックボーンを経由する構造のため、クラウドアプリの利用状況を広く把握できます。ただしアプリの分類粒度やリスク評価データベースの厚みについては、CASB専業ベンダーほど前面に打ち出されていません。
単一パスのエンジン(SPACE)で通信を一度だけ検査し、ファイアウォール・脅威防御・CASB・DLP・ZTNAの制御をまとめて適用する設計です。機能ごとに処理を数珠つなぎにしないため、制御の一貫性という点では構造的に有利です。
インラインとアウトオブバンドの双方に対応するとされていますが、SaaS個別のAPI連携でどこまで設定監査や保存データの点検ができるかは、専業ベンダーほど具体的に示されていません。この用途を重視する場合は、対象SaaSごとの確認が必要です。
DLPは単一のポリシーエンジンに統合されており、拠点・リモート・クラウドで同じルールが適用されます。一方で、完全一致や文書照合といった高度な検出方式の作り込みは、データ保護を主戦場とする製品ほどではありません。
ファイアウォール・IPS・マルウェア対策・DNSセキュリティ・ブラウザ分離を同一エンジン上で提供します。2025年にはAI利用のリスクに対応する企業を買収し、生成AI関連の検査領域にも範囲を広げています。
本製品で最も強い領域です。SSEにとどまらず、SD-WANを含むネットワーク層までネットワーク層まで同一ベンダーで揃えられる点が構成上の特徴です。SASE分野の主要ベンダーとして継続的に位置づけられています。
拠点に専用機器を設置し、設定はクラウドから自動配布される方式のため、拠点追加は短時間で完了します。ただし既存WANからの移行を伴う場合は、CASB導入というより回線の切り替えプロジェクトとして計画する必要があります。
管理コンソール・ポリシー・イベントログがすべて一本化されており、ネットワークとセキュリティを別々に運用する必要がありません。情報システム部門の人数が限られる組織ほど効果が出やすい構成です。
国内でもパートナー経由で提供されていますが、上位ベンダーと比べると国内での導入事例や日本語の技術情報は限られます。検討時に参照できる情報量という点では差があります。
価格は非公開ですが、ネットワークとセキュリティを単一契約にまとめられるため、個別製品を積み上げる構成に比べれば総額の見通しは立てやすい部類です。ただし回線費用との比較が絡むため、単純なCASBの価格比較にはなりません。
評価方法
各項目5点満点。総合スコアは10項目の単純平均を機械的に算出したもので(4.0)、
重み付けや調整は行っていません。評価は公開情報と、導入・運用の現場で論点になりやすい
観点に基づくCASB.JPの見解です。製品の優劣を断定するものではなく、組織の規模・既存環境・
運用体制によって適性は変わります。評価時点の情報に基づくため、最新の状況は各社にご確認ください。
採点基準(5.0〜1.0の定義)と10軸の詳細はこちら →
この製品を「CASB製品」として評価すると本質を捉え損ねます。出発点はネットワークそのもので、SD-WANによる拠点接続と、セキュリティ機能を同じクラウド基盤の上で一体化するという構想の製品です。CASBはその基盤上で提供される機能のひとつという位置づけです。
技術的な核となるのが、単一パスで処理するエンジンです。通信を一度だけ検査し、その一回の処理でファイアウォール・脅威防御・CASB・DLP・ZTNAの判定をまとめて行います。機能ごとに処理を通していく方式と違い、機能を増やしても遅延が積み上がりにくい構造です。
もうひとつの特徴が、自社で持つ拠点間のバックボーンです。各拠点は専用機器から最寄りの接続拠点につながり、そこから先はインターネットではなく同社のネットワークを経由します。MPLS回線の代替として検討されるのはこのためです。
通信経路のどこに介在するかは、導入負荷と制御できる範囲を左右します。
通信を一度だけ検査し、その処理の中でファイアウォール・脅威防御・CASB・DLP・ZTNAの判定をまとめて適用します。機能ごとに処理を経由させる方式ではないため、適用する機能を増やしても遅延が積み上がりにくい設計です。
世界各地の接続拠点を自社のネットワークで相互接続しています。拠点間の通信はインターネットを経由せずこの網を通るため、経路の品質を自社で制御できます。MPLSの代替として検討される根拠です。
各拠点に専用機器を設置し、最寄りの接続拠点へつなぐ構成です。設定はクラウドから自動配布されるため、拠点追加時の作業が小さく済みます。
リモート利用者はクライアント経由、クラウド上のシステムは直接接続で同じ基盤に載ります。拠点・在宅・クラウドで同一のポリシーが適用されます。
全通信が自社基盤を経由する構造を活かし、利用されているクラウドサービスを検出します。
利用者・拠点・端末の条件に応じて、クラウドサービスへのアクセスを制御します。
単一のポリシーエンジンに統合されており、拠点・リモート・クラウドで同じルールが適用されます。
ファイアウォール・IPS・マルウェア対策・DNSセキュリティ・ブラウザ分離を同一エンジン上で提供します。
社内アプリへのアクセスを利用者単位で制御します。VPN装置の置き換えとして機能します。
2025年に関連企業を買収し、生成AIの利用に伴うリスクを同じ検査基盤の中で扱う方向で統合が進められています。
カタログには載らない、現場でつまずきやすいポイントです。
他社製品との最大の違いは、検討の関係者が変わることです。NetskopeやSkyhighであればセキュリティ担当の判断で進められる場面でも、Catoの場合は回線契約・拠点工事・ネットワーク運用が関わります。情報システム部門の中でも、担当が分かれている組織では調整が必要になります。
一方で、これは弱点ばかりではありません。MPLS回線の削減による通信費の見直しと同時に検討できるため、セキュリティ単体では通りにくい予算が、ネットワーク刷新の枠で確保できる場合があります。稟議の立て方そのものが変わる、という点は実務上の重要な違いです。
以下は着手前に整理しておきたい項目です。CASB製品の検討チェックリストとは内容が大きく異なります。
価格は非公開です。ネットワークとセキュリティを単一契約にまとめられるため、個別に製品を積み上げる構成と比べれば総額の見通しは立てやすい部類です。ただし評価する際は、CASB製品同士の価格比較ではなく、現在のWAN回線費用・拠点機器の保守費用を含めた総額での比較になります。MPLS回線を削減できる場合、単純な追加コストにはならない点が検討時のポイントです。
3社ともSASE/SSEを掲げていますが、統合の起点が異なります。この違いは機能の優劣ではなく、どの課題から入るかの違いです。
| 観点 | Cato | Zscaler | Netskope |
|---|---|---|---|
| 統合の起点 | ネットワーク(SD-WAN)から | セキュリティクラウドから | クラウド利用の可視化から |
| SD-WAN | 自社で提供(中核) | 他社製品と連携 | 他社製品と連携 |
| 拠点間の通信 | 自社バックボーンで最適化 | インターネット経由が基本 | インターネット経由が基本 |
| CASBの位置づけ | 統合基盤上の一機能 | SSE基盤上の一機能 | 製品群の中核機能のひとつ |
| 導入の関係部署 | ネットワーク運用・調達も含む | 主にセキュリティ・ネットワーク | 主にセキュリティ |
| MPLS削減との併検討 | 検討しやすい | 限定的 | 対象外 |
総合スコアだけを見るとCatoは上位2社より低く出ます。これは10軸のうちCASB固有の項目(API連携監査など)で差がつくためです。ただし評価軸に「WAN統合」「拠点間通信の品質」「回線費用の削減」を加えれば、順位は逆転します。CASB単体の比較表として読むか、ネットワーク刷新の選択肢として読むかで、この製品の評価は変わります。
CASB製品として横並びに比較すると、この製品は正しく評価できません。10軸の総合点では上位2社に届きませんが、それはCASB固有の項目で測っているからです。拠点数が多く、MPLS回線の見直しを控えていて、ネットワークとセキュリティを同じチームで運用している——この条件が重なるなら、評価は逆転します。逆に、既存のWAN構成を変える予定がなく、CASBの機能だけが必要なのであれば、この製品の強みは活きません。「何を統合したいか」が、この製品を選ぶかどうかの分岐点です。
掲載内容は評価時点で一般に公開されている情報に基づく概要であり、最新の機能詳細・価格・ ライセンス条件は変動します。「Cato Networks」はCato Networks Ltd.の商標です。掲載および評価は製品紹介を 目的としたものであり、各社との提携・代理店契約・認定関係を示すものではありません。 評価はCASB.JPの見解であり、特定製品の採用・不採用を推奨するものではありません。
本サイト内に記載されているサービス名・ロゴは各社の商標です。 各社との提携・代理店契約・認定関係を示すものではありません。
casb.jp All rights reserved.