CASB.JP / 製品比較 / Cato Networks

Cato Networks

Cato Networks

Cato SASE Cloud / Single Pass Cloud Engine (SPACE)

Cato Networks Ltd.

SASESD-WANSSECASBZTNA

CASB製品として比較すると中位に見えますが、それはこの製品の評価軸が違うためです。SD-WANを含むネットワークそのものをクラウドへ移し、その上でセキュリティを一体化するという設計思想の製品です。

CASB.JP SCORE
4.0 / 5.0
★★★★☆
10項目の
平均値
QUICK VERDICT

まず結論から

Catoは「CASBを探している人」より「WANとセキュリティをまとめて刷新したい人」に向く製品です。先にその前提を押さえてください。

強み

  • SD-WANを含めて単一ベンダー・単一契約で完結する(他社にない構成)
  • 独自のバックボーンを持ち、拠点間通信の品質を自社で制御できる
  • 単一パスのエンジンで検査するため、機能を増やしても遅延が積み上がりにくい
  • 管理コンソール・ポリシー・ログが一本化され、運用の担当者数を抑えられる
  • 拠点への機器設置と自動設定配布により、拠点追加が短時間で済む
  • MPLS回線の削減による通信費の見直しと同時に検討できる

弱み・注意点

  • CASB単体の機能深度では、この領域を主戦場とする製品に及ばない
  • SaaS個別のAPI連携の範囲について、公開情報が限られる
  • 単一ベンダーに寄せる構成のため、機能ごとに最適な製品を選ぶ自由度は下がる
  • 国内の導入事例・日本語技術情報が上位ベンダーより限られる
  • WAN移行を伴う場合、CASB導入としては工期・関係部署が大きくなる
向いている企業
  • WANの刷新とセキュリティ強化を同時に検討している
  • 拠点数が多く、拠点ごとの機器管理をやめたい
  • MPLS回線の見直し・削減を検討している
  • 情報システム部門の人数が限られ、運用を一本化したい
  • 海外拠点があり、拠点間通信の品質を安定させたい
  • ネットワークとセキュリティの担当が同一チームである
慎重に検討したい企業
  • CASBの機能だけを単体で導入したい
  • SaaS内部のデータ保護をきめ細かく作り込みたい
  • 既存のWAN契約・構成を変更する予定がない
  • 機能ごとに最適な製品を組み合わせたい(ベストオブブリード志向)
  • 国内の豊富な導入事例を判断材料にしたい
SCORECARD

CASB.JP 独自評価

各項目に評価の根拠を併記しています。全製品で同一の10軸を使用しているため、製品間で比較できます。

シャドーIT可視化
4.0

全拠点・全利用者の通信が自社バックボーンを経由する構造のため、クラウドアプリの利用状況を広く把握できます。ただしアプリの分類粒度やリスク評価データベースの厚みについては、CASB専業ベンダーほど前面に打ち出されていません。

インライン制御
4.5

単一パスのエンジン(SPACE)で通信を一度だけ検査し、ファイアウォール・脅威防御・CASB・DLP・ZTNAの制御をまとめて適用する設計です。機能ごとに処理を数珠つなぎにしないため、制御の一貫性という点では構造的に有利です。

API連携監査
3.0

インラインとアウトオブバンドの双方に対応するとされていますが、SaaS個別のAPI連携でどこまで設定監査や保存データの点検ができるかは、専業ベンダーほど具体的に示されていません。この用途を重視する場合は、対象SaaSごとの確認が必要です。

DLP(情報漏えい対策)
4.0

DLPは単一のポリシーエンジンに統合されており、拠点・リモート・クラウドで同じルールが適用されます。一方で、完全一致や文書照合といった高度な検出方式の作り込みは、データ保護を主戦場とする製品ほどではありません。

脅威防御
4.5

ファイアウォール・IPS・マルウェア対策・DNSセキュリティ・ブラウザ分離を同一エンジン上で提供します。2025年にはAI利用のリスクに対応する企業を買収し、生成AI関連の検査領域にも範囲を広げています。

SSE/SASE統合
5.0

本製品で最も強い領域です。SSEにとどまらず、SD-WANを含むネットワーク層までネットワーク層まで同一ベンダーで揃えられる点が構成上の特徴です。SASE分野の主要ベンダーとして継続的に位置づけられています。

導入容易性
4.0

拠点に専用機器を設置し、設定はクラウドから自動配布される方式のため、拠点追加は短時間で完了します。ただし既存WANからの移行を伴う場合は、CASB導入というより回線の切り替えプロジェクトとして計画する必要があります。

運用容易性
4.5

管理コンソール・ポリシー・イベントログがすべて一本化されており、ネットワークとセキュリティを別々に運用する必要がありません。情報システム部門の人数が限られる組織ほど効果が出やすい構成です。

日本市場適合
3.5

国内でもパートナー経由で提供されていますが、上位ベンダーと比べると国内での導入事例や日本語の技術情報は限られます。検討時に参照できる情報量という点では差があります。

価格透明性
2.5

価格は非公開ですが、ネットワークとセキュリティを単一契約にまとめられるため、個別製品を積み上げる構成に比べれば総額の見通しは立てやすい部類です。ただし回線費用との比較が絡むため、単純なCASBの価格比較にはなりません。

評価方法
各項目5点満点。総合スコアは10項目の単純平均を機械的に算出したもので(4.0)、 重み付けや調整は行っていません。評価は公開情報と、導入・運用の現場で論点になりやすい 観点に基づくCASB.JPの見解です。製品の優劣を断定するものではなく、組織の規模・既存環境・ 運用体制によって適性は変わります。評価時点の情報に基づくため、最新の状況は各社にご確認ください。
採点基準(5.0〜1.0の定義)と10軸の詳細はこちら →

OVERVIEW

製品概要

この製品を「CASB製品」として評価すると本質を捉え損ねます。出発点はネットワークそのもので、SD-WANによる拠点接続と、セキュリティ機能を同じクラウド基盤の上で一体化するという構想の製品です。CASBはその基盤上で提供される機能のひとつという位置づけです。

技術的な核となるのが、単一パスで処理するエンジンです。通信を一度だけ検査し、その一回の処理でファイアウォール・脅威防御・CASB・DLP・ZTNAの判定をまとめて行います。機能ごとに処理を通していく方式と違い、機能を増やしても遅延が積み上がりにくい構造です。

もうひとつの特徴が、自社で持つ拠点間のバックボーンです。各拠点は専用機器から最寄りの接続拠点につながり、そこから先はインターネットではなく同社のネットワークを経由します。MPLS回線の代替として検討されるのはこのためです。

ARCHITECTURE

アーキテクチャ・提供方式

通信経路のどこに介在するかは、導入負荷と制御できる範囲を左右します。

単一パスエンジン(SPACE)

通信を一度だけ検査し、その処理の中でファイアウォール・脅威防御・CASB・DLP・ZTNAの判定をまとめて適用します。機能ごとに処理を経由させる方式ではないため、適用する機能を増やしても遅延が積み上がりにくい設計です。

自社バックボーン

世界各地の接続拠点を自社のネットワークで相互接続しています。拠点間の通信はインターネットを経由せずこの網を通るため、経路の品質を自社で制御できます。MPLSの代替として検討される根拠です。

拠点接続(SD-WAN)

各拠点に専用機器を設置し、最寄りの接続拠点へつなぐ構成です。設定はクラウドから自動配布されるため、拠点追加時の作業が小さく済みます。

リモート利用者・クラウド接続

リモート利用者はクライアント経由、クラウド上のシステムは直接接続で同じ基盤に載ります。拠点・在宅・クラウドで同一のポリシーが適用されます。

CASB FUNCTIONS

CASBとしての主な機能

クラウドアプリの可視化

全通信が自社基盤を経由する構造を活かし、利用されているクラウドサービスを検出します。

アプリケーション制御

利用者・拠点・端末の条件に応じて、クラウドサービスへのアクセスを制御します。

データ保護(DLP)

単一のポリシーエンジンに統合されており、拠点・リモート・クラウドで同じルールが適用されます。

脅威防御

ファイアウォール・IPS・マルウェア対策・DNSセキュリティ・ブラウザ分離を同一エンジン上で提供します。

ZTNA

社内アプリへのアクセスを利用者単位で制御します。VPN装置の置き換えとして機能します。

AI利用のリスク対応

2025年に関連企業を買収し、生成AIの利用に伴うリスクを同じ検査基盤の中で扱う方向で統合が進められています。

DEPLOYMENT REALITY

導入前に確認したいこと

カタログには載らない、現場でつまずきやすいポイントです。

要チェック

CASB導入ではなく「ネットワーク移行プロジェクト」になる

他社製品との最大の違いは、検討の関係者が変わることです。NetskopeやSkyhighであればセキュリティ担当の判断で進められる場面でも、Catoの場合は回線契約・拠点工事・ネットワーク運用が関わります。情報システム部門の中でも、担当が分かれている組織では調整が必要になります。

一方で、これは弱点ばかりではありません。MPLS回線の削減による通信費の見直しと同時に検討できるため、セキュリティ単体では通りにくい予算が、ネットワーク刷新の枠で確保できる場合があります。稟議の立て方そのものが変わる、という点は実務上の重要な違いです。

以下は着手前に整理しておきたい項目です。CASB製品の検討チェックリストとは内容が大きく異なります。

  1. 既存WAN契約の棚卸し現行回線の契約期間・解約条件・拠点ごとの帯域を確認します。契約の残存期間によっては、移行時期そのものが制約になります。
  2. 拠点の優先順位付け全拠点を一度に移行するのは現実的ではありません。帯域が逼迫している拠点や、機器の更新時期が近い拠点から順に計画します。
  3. 拠点機器の設置計画各拠点への機器設置と、既存ネットワーク機器との接続方法を決めます。遠隔地の拠点では現地作業の手配が必要です。
  4. クラウド・データセンターとの接続既存のデータセンターやクラウド上のシステムへの接続方式を設計します。
  5. リモート利用者の移行既存VPNからの切り替え計画。ZTNAへ移行する場合は、アクセス可能な範囲が変わるため利用者への周知が必要です。
  6. 関係部署との合意形成ネットワーク運用・調達・拠点管理など、セキュリティ以外の部署が関わります。検討の初期段階で巻き込んでおかないと、後工程で止まります。
PRICING

価格・ライセンス

価格は非公開です。ネットワークとセキュリティを単一契約にまとめられるため、個別に製品を積み上げる構成と比べれば総額の見通しは立てやすい部類です。ただし評価する際は、CASB製品同士の価格比較ではなく、現在のWAN回線費用・拠点機器の保守費用を含めた総額での比較になります。MPLS回線を削減できる場合、単純な追加コストにはならない点が検討時のポイントです。

COMPARISON

どこから統合するか:Cato・Zscaler・Netskope

3社ともSASE/SSEを掲げていますが、統合の起点が異なります。この違いは機能の優劣ではなく、どの課題から入るかの違いです。

観点CatoZscalerNetskope
統合の起点ネットワーク(SD-WAN)からセキュリティクラウドからクラウド利用の可視化から
SD-WAN自社で提供(中核)他社製品と連携他社製品と連携
拠点間の通信自社バックボーンで最適化インターネット経由が基本インターネット経由が基本
CASBの位置づけ統合基盤上の一機能SSE基盤上の一機能製品群の中核機能のひとつ
導入の関係部署ネットワーク運用・調達も含む主にセキュリティ・ネットワーク主にセキュリティ
MPLS削減との併検討検討しやすい限定的対象外

総合スコアだけを見るとCatoは上位2社より低く出ます。これは10軸のうちCASB固有の項目(API連携監査など)で差がつくためです。ただし評価軸に「WAN統合」「拠点間通信の品質」「回線費用の削減」を加えれば、順位は逆転します。CASB単体の比較表として読むか、ネットワーク刷新の選択肢として読むかで、この製品の評価は変わります。

CASB.JP VERDICT

結局、どんな企業に向くか

CASB製品として横並びに比較すると、この製品は正しく評価できません。10軸の総合点では上位2社に届きませんが、それはCASB固有の項目で測っているからです。拠点数が多く、MPLS回線の見直しを控えていて、ネットワークとセキュリティを同じチームで運用している——この条件が重なるなら、評価は逆転します。逆に、既存のWAN構成を変える予定がなく、CASBの機能だけが必要なのであれば、この製品の強みは活きません。「何を統合したいか」が、この製品を選ぶかどうかの分岐点です。

掲載内容は評価時点で一般に公開されている情報に基づく概要であり、最新の機能詳細・価格・ ライセンス条件は変動します。「Cato Networks」はCato Networks Ltd.の商標です。掲載および評価は製品紹介を 目的としたものであり、各社との提携・代理店契約・認定関係を示すものではありません。 評価はCASB.JPの見解であり、特定製品の採用・不採用を推奨するものではありません。

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