CASB.JP / 製品比較 / Cisco Cloudlock

Cisco Cloudlock

Cisco Cloudlock

API型CASB / Cisco セキュリティ製品群

Cisco Systems, Inc.

CASBAPI連携専業UEBAOAuth監査Cisco

プロキシもエージェントも使わない、完全API型のCASBです。他社が「SSE基盤の一機能」へ向かうなか、CASB単機能に絞った構成を保っています。ただし検討前に、CiscoのSSE製品との関係を理解しておく必要があります。

CASB.JP SCORE
3.5 / 5.0
★★★⯪☆
10項目の
平均値
QUICK VERDICT

まず結論から

Cloudlockは他製品と土俵が違います。先に前提を押さえてください。

強み

  • プロキシ・エージェント不要で、通信経路にも端末にも一切手を入れずに導入できる
  • OAuth連携で企業環境につながる第三者アプリの洗い出しは、他社があまり踏み込まない領域
  • 既にSaaS内に保存されているデータを遡って検査できる
  • クラウド間の通信や、管理外端末からの利用も対象にできる
  • 違反時にSaaS側のネイティブ機能を使って隔離・暗号化を実行できる
  • 単機能に絞られているため、設定・運用がシンプル

弱み・注意点

  • インライン検査を持たないため、未許可SaaSのリアルタイム遮断はできない
  • 一般的なシャドーIT検出には、Umbrellaなど他製品との併用が前提
  • Cloudlock単体はSSEではなく、CiscoのSSEはSecure Accessという別製品
  • Cisco製品群の外側との連携は、他社ベンダーほど広くないという評価がある
  • 日本語の技術情報・導入事例が限られる
向いている企業
  • 既にCisco製品群(Umbrellaなど)を導入している
  • ネットワーク構成にも端末にも手を入れずにCASBを始めたい
  • OAuth連携アプリのリスクを把握したい
  • SaaS内に既に置かれているデータの棚卸しが主目的
  • Google Workspace環境でのデータ保護を強化したい
  • まず可視化だけを短期間で行い、制御は後から考えたい
慎重に検討したい企業
  • 未許可SaaSのリアルタイム遮断が要件に含まれる
  • CASBを含むSSE全体を単一製品で揃えたい(Cisco Secure Accessとの比較を推奨)
  • Cisco以外の製品群を中心に構成している
  • 日本語の情報・事例を判断材料にしたい
  • 1製品で完結させたい(他製品との併用を前提にできない)
SCORECARD

CASB.JP 独自評価

各項目に評価の根拠を併記しています。全製品で同一の10軸を使用しているため、製品間で比較できます。

シャドーIT可視化
3.5

OAuth連携で企業環境につながっている第三者アプリを洗い出す機能が独自の強みで、他社があまり踏み込まない領域を押さえています。一方でインライン経路を持たないため、利用者がどのクラウドサービスへ通信しているかという一般的なシャドーIT検出は、Cisco Umbrellaなど別製品との併用が前提になります。

インライン制御
2.0

本製品はインライン検査を持ちません。プロキシもエージェントも使わない設計であるためです。未許可SaaSのリアルタイム遮断が必要な場合は、CloudlockではなくUmbrellaやCisco Secure Accessなど別製品の機能を使うことになります。CASBの4機能のうち、この軸だけは構造的に対象外です。

API連携監査
4.5

製品の核であり、この一点に特化しています。SaaSのAPIを通じて、既に保存されているデータの遡及的な分析、クラウド間の通信の分析、管理外端末からの利用の把握までを、通信経路に触れずに行えます。

DLP(情報漏えい対策)
4.0

ファイル名やラベルではなく内容を見る検査に対応し、正規表現・閾値・近接条件による調整ができます。違反時の対応も、対象SaaS側のネイティブ機能を呼び出して隔離や暗号化を実行する方式です。

脅威防御
3.5

機械学習による異常検知(UEBA)を備え、通常ありえない移動速度でのアクセスや許可範囲外の国からの操作を検出します。ただしマルウェア対策やWeb脅威防御の主体はCiscoの他製品側にあります。

SSE/SASE統合
3.0

Cloudlock単体はSSEプラットフォームではなく、CASB単機能の製品です。CiscoがSSEとして案内しているのはCisco Secure Accessであり、そちらにCASB機能も内包されています。Cisco製品群としての連携はありますが、Cloudlock自体をSSE統合として評価はできません。

導入容易性
4.5

API接続のみで完結するため、通信経路の変更・エージェント配布・証明書展開がいずれも不要です。送信元IPも変わりません。本サイトで扱う製品の中では最も導入負荷が低い部類です。

運用容易性
4.0

単機能である分、設定・運用はシンプルです。ただしCisco製品群を組み合わせて使う場合は、管理画面が製品ごとに分かれます。

日本市場適合
3.0

Cisco経由での提供体制はありますが、CASBとしてのCloudlockに関する日本語の技術情報・導入事例は他製品と比べて限られます。

価格透明性
2.5

価格は非公開です。単機能製品のためモジュール積み上げの複雑さはありませんが、実用上はUmbrellaなど他製品との併用が前提になることが多く、その場合は組み合わせ全体での見積りが必要になります。

評価方法
各項目5点満点。総合スコアは10項目の単純平均を機械的に算出したもので(3.5)、 重み付けや調整は行っていません。評価は公開情報と、導入・運用の現場で論点になりやすい 観点に基づくCASB.JPの見解です。製品の優劣を断定するものではなく、組織の規模・既存環境・ 運用体制によって適性は変わります。評価時点の情報に基づくため、最新の状況は各社にご確認ください。
採点基準(5.0〜1.0の定義)と10軸の詳細はこちら →

OVERVIEW

製品概要

この製品を理解する鍵は、「CASBの4機能すべてを担う製品ではない」と最初に認識することです。プロキシもエージェントも使わず、SaaSのAPIだけで完結する設計を貫いています。その結果、導入負荷は本サイトで扱う製品の中で最も低い一方、通信をその場で止めるといった制御は構造的にできません。

独自性が最も出ているのが、OAuth連携アプリの監査です。従業員が業務アカウントで外部サービスにログインすると、そのサービスに一定の権限が渡ります。この「気づかないうちに権限を持っている第三者アプリ」を洗い出す機能は、他社があまり前面に出していない領域です。

検討する際に確認が必要なのが、Ciscoの現行製品体系との関係です。詳細は後述しますが、CiscoがSSEとして案内しているのはCisco Secure Accessという別製品で、そちらにもCASB機能が含まれます。「CiscoでCASBを検討する」場合、選択肢は1つではありません。

ARCHITECTURE

アーキテクチャ・提供方式

通信経路のどこに介在するかは、導入負荷と制御できる範囲を左右します。

完全API型(プロキシなし)

SaaSのAPIに接続するだけで動作します。通信経路上に置かれないため、遅延の発生も、利用者側の体感の変化もありません。プロキシの処理能力を見積もる必要もありません。

遡及的な検査

導入前から既にSaaS内に保存されているファイルも検査対象になります。「今から先」だけでなく「これまでの蓄積」を棚卸しできる点が、インライン型との大きな違いです。

クラウド間通信の把握

利用者の端末を経由しないSaaS間の連携も、API経由で把握できます。端末にエージェントを入れる方式では見えない範囲です。

OAuth接続アプリの監査

業務アカウントに紐づいた第三者アプリを検出し、付与されている権限を確認できます。利用状況をもとにした評価情報も参照できる仕組みです。

CASB FUNCTIONS

CASBとしての主な機能

OAuthアプリの検出・制御

業務アカウントで連携された外部アプリを洗い出し、権限を確認して制御します。本製品の独自性が最も出ている機能です。

データ保護(DLP)

内容を見る検査に対応し、正規表現・閾値・近接条件で調整できます。規制対応向けの定義があらかじめ用意されています。

違反時の自動対応

対象SaaSのネイティブ機能を呼び出し、ファイルの隔離や項目単位の暗号化を実行します。

異常検知(UEBA)

機械学習により、通常と異なる操作や、地理的にありえない移動を伴うアクセスを検出します。

保存データの棚卸し

既にSaaS内にあるデータを遡って検査し、公開範囲の不備を洗い出します。

Cisco製品群との連携

Umbrellaなど他のCisco製品と脅威情報を共有し、Web側の防御と組み合わせられます。

DEPLOYMENT REALITY

導入前に確認したいこと

カタログには載らない、現場でつまずきやすいポイントです。

要チェック

CiscoでCASBを検討するなら、選択肢は2つある

このページで最も重要な情報がこれです。Ciscoには現在、CASB機能を提供する経路が2つあります。この違いを理解せずに検討を始めると、話が噛み合いません。

ひとつが本製品Cloudlockで、API専業のCASBとして提供が続いています。もうひとつがCisco Secure Accessで、これはCiscoが現在SSEとして案内している製品です。ZTNA・SWG・CASB・FWaaSといったSSEの中核機能に加え、DLPやリモートブラウザ分離、AI利用の制御なども含む構成になっています。つまりCASB機能はSecure Access側にも内包されています。

実務上の判断としては、CASBを含むSSE全体を新規に整備したいならSecure Accessが検討対象、既存の環境に手を入れずAPI型のCASBだけを足したいならCloudlock、という切り分けになります。既にCloudlockを利用している組織では、将来的な構成についてCisco側に確認しておくのが安全です。

以下は、Cloudlockを選ぶ場合に確認しておきたい項目です。

  1. Secure Accessとの比較自社の要件がCASB単機能で足りるのか、SSE全体が必要なのかを先に判断します。ここが決まらないと、製品選定そのものがぶれます。
  2. ライセンスのライフサイクル確認新規に選定する場合も、既に利用している場合も、対象ライセンスの提供予定と将来的な移行方針をCiscoまたは販売パートナーに直接確認しておくことを推奨します。
  3. リアルタイム制御の要否未許可SaaSの即時遮断が要件に含まれるかを確認します。必要ならCloudlock単体では満たせず、Umbrellaなどとの併用が前提になります。
  4. 対象SaaSのAPI対応範囲連携できるSaaSと、そこで取得できる情報・実行できる操作の範囲を確認します。
  5. OAuth連携アプリの棚卸し方針検出後にどう対応するかを決めます。業務で必要な連携まで遮断すると影響が出るため、許可リストの運用方針を先に固めます。
  6. 既存Cisco製品との役割分担Umbrellaなどを併用する場合、どの製品でどこまで対応するかを整理します。管理画面が分かれるため、運用担当の割り当ても含めて決めます。
  7. 併用時の総額見積りCloudlock単体ではなく、必要な他製品を含めた組み合わせで見積もります。
PRICING

価格・ライセンス

価格は非公開です。単機能製品のためライセンス構成自体は複雑ではありませんが、実用上はUmbrellaなど他のCisco製品との併用が前提になることが多く、その場合は組み合わせ全体での見積りが必要です。またCisco Secure Accessという選択肢もあるため、「CASB単機能を足す」場合と「SSEとして揃える」場合の両方で見積りを取って比較するのが実務的です。

COMPARISON

SaaS側から見るCASB:Cloudlock・Microsoft・Skyhigh・Netskope

この4製品はいずれもSaaS側の可視化・API監査・データ保護を扱えるため、同じ土俵で比較できます。違いは、API監査をどこまで単独で完結させるかです。

観点CloudlockMicrosoftSkyhighNetskope
起点API型CASB単機能Microsoft環境の統合データ保護(DLP)CASB・クラウド可視化
API監査主軸(これのみ)主軸(M365で特に強い)主軸のひとつ備える(併用前提)
インライン制御持たない条件付きアクセスと併用プロキシ方式を併用可主軸のひとつ
OAuth連携アプリ監査独自の強み対応対応対応
エコシステムCiscoMicrosoftSkyhigh SSENetskope One
向く環境既存Cisco環境M365中心データ保護重視SSE全体を統合

Cloudlockだけ「インライン制御を持たない」と明記しているのは、欠点の指摘ではなく設計方針の違いです。通信経路に触れないからこそ導入が軽く、既存環境への影響もありません。ただし要件にリアルタイム遮断が含まれる場合は、この1行が選定の分岐点になります。なおCiscoでSSE全体を検討する場合の比較対象は、CloudlockではなくCisco Secure Accessです。

CASB.JP VERDICT

結局、どんな企業に向くか

「CASB製品として弱い」のではなく、「CASBの一部機能に特化した製品」です。通信経路にも端末にも触れずに始められる点は他製品にはない現実的な利点で、既にCisco製品を導入している組織なら追加の選択肢として妥当です。特にOAuth連携アプリの棚卸しは、他社であまり代替が効きません。一方で、これ1つでCASBの要件が満たせる場面は限られます。リアルタイム制御が必要なら他製品との併用が前提になり、SSE全体を整備するならCisco Secure Accessという別の選択肢を先に検討すべきです。単独CASBとして新規に選定するなら、必ず他製品と並べて比較してください。

掲載内容は評価時点で一般に公開されている情報に基づく概要であり、最新の機能詳細・価格・ ライセンス条件は変動します。「Cisco Cloudlock」はCisco Systems, Inc.の商標です。掲載および評価は製品紹介を 目的としたものであり、各社との提携・代理店契約・認定関係を示すものではありません。 評価はCASB.JPの見解であり、特定製品の採用・不採用を推奨するものではありません。

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